墨荘堂ブログ

粘液性の後鼻漏の鍼灸治療

粘度が低い後鼻漏(鼻水が咽に回ってしまう症候)は漢方薬が著効するという論文もあり、そのとおりだと思いますが、粘液性の鼻や喉にこびりつくものはなかなか厄介なようです。
この症例の患者さんも30年程前から花粉症になり、2年前の花粉症が終わる頃から鼻水が喉に激しく流れるようになり、後鼻漏だと自覚したそうです。
耳鼻科でも蓄膿ではなく鼻水も見られないし、声帯も綺麗と言われたそうですが、毎日流れ続けていたそうです。
その後粘膜一本注射で治すという耳鼻科に行き、先ず一カ所注射しましたが、一ヶ月経っても変わらず、副鼻腔に肥厚はあるが副鼻腔には注射も出来ないと言われ、しばらく様子を見るようにとの事でしたが、結局流れは止まらなかったそうです。
その後ひょうたん水、Bスポット療法、鼻うがい、ネブライザー、漢方薬などで、花粉症も鼻づまりや目のかゆみ以外はほとんど無くなったそうですが、以前より粘度の高い液体がやはり流れているというのが初めて来院された時の状態でした。
他の症状としては常に喉に引っかかっている状態で息苦しく、仰向けで寝れない、朝には激しく咳き込まないと溜まった痰が出て来ないなどを訴えておられました。
後鼻漏の治療は胃腸の水毒を除く事と、鼻~喉の炎症を自分で鎮められるように、気血を疎通することにつきると思います。
そこで胃腸の治療と頸肩の調整(後鼻漏のひとはC5~TH4の間に問題がある事が多いため)と顔面の細絡刺絡を行いました。
後鼻漏の患者さんを見ていると、どうも外部からの処置をやりすぎている事が、治癒を長引かせているように思えてなりません。
従来の処置に比べ細絡刺絡のすごい所は、外部からのアプローチが難しい副鼻腔も炎症になり循環が悪くなれば、必ず近くの表面にバイパスを作るという理屈によって、表面から処置が出来るという所です。
ただし自分で炎症を鎮めなければならないので、効果が現れるのには時間がかかります。
この方も2ヶ月くらいしてまず、夜が寝られる様になってきて、6ヶ月で胃腸が良くなってきてようやく不快感が6~7くらい(来院時の不快感を10とする)になりました。
最近は時々4~5くらいの時もあり、仰向けで寝れるようになってきたそうです。また、さらに近々の報告では、左を下しても眠れる、朝の咳き込みも減少、粘度はあるが喉に流れる量も減っている、ということで、日常の生活では気にならなくなってきているということでした。
ストレスが掛かると胃腸が悪くなることはあるためまだ完治するには時間がかかりそうですが、方向は間違っていないので後は時間の問題です。
1~2回で変化が無いとあきらめてしまう人がいますが、この患者さんも気長に治療してもらえたからこその結果ですので、患者さんも覚悟して臨んで頂きたいと思います。(加筆修正)
2015-09-08 | Posted in 治験報告No Comments » 

 

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