帯状疱疹発症後の肋間神経痛と鍼灸
一ヶ月前からヘルペスになり、抗生物質で治療されていた患者さんです。
発疹が治まってきたら、左乳房の下の肋骨下部辺りが痛むようになってきて、病院から次に痛み止めを処方されました。ところがこの鎮痛剤が合わず飲むとクラクラするので、服用を止めて来院されました。
確かに発疹はなく、左の歩廊や乳根といったツボのあたりをそっと触れると痛みがあります。脈は七星鍼法の配当で脾と腎が弱く、FTで経別の反応が出ていました。
さらに歩廊や乳根といった辺りを通る肋間神経の基底部を調べると、筋縮付近に硬結があったので皮膚刺絡をした後、灸頭鍼を行ないました。
全体の治療は、七星鍼法の水穴と腎経別をフルセットで使用。最後に歩廊、乳根、筋縮、魂門に皮内鍼を入れて終了しました。
一週間後の2診目の2~3日前には、肋骨下部のピリピリしているのは取れたのですが、背中に少し痛みが残るとの事。同様の治療で3診目にはすべての症状が無くなり治療を終了しました。
ヘルペスは疲労やストレスなどで免疫が低下すると発症するので、抗生物質を使う前からでも鍼灸治療は可能です。発症後すぐの方が治るのも早いですが、時間が経った神経痛の出ているものでも治療可能です。
捻挫やヘルペスの新鮮なものには、鍼灸という選択肢がなかなか浮かばないものですが、古代九鍼の中には救急で使うことによって効果を発揮するものがありますので、薬の飲めない方などは、鍼灸が効果のある事を覚えておいていただけると不快な時期が短くて済みます。