首の治療では改善しないめまいの鍼灸治療

 めまいは西洋医学的には耳から生じるめまい(メニエール病、前庭神経炎、突発性難聴、聴神経腫瘍など)や脳から生じるめまい(脳卒中(脳梗塞、脳出血)、椎骨脳底動脈循環不全、てんかん、良性発作性頭位変換性めまい)がほとんどなので、通常は凝っている首の筋肉を緩めたり、頭部の循環を改善すれば良くなります。

 老人に多い起立性低血圧によるめまいは別の原因ですが、稀に心因性のめまいの方がおりこのような方は、首中心の治療では良くなりません。また、このような方は全身が華奢で首も細く、あまり強い刺激を加えられるとだるくなったりする方が多いようです。

 以下の症例の方は、立っているとふらつくということで最初来院されました。

 初診時に脈診をすると「心」が弱かった(この傾向は以降も同じです)ため、董氏鍼方の通関、通山などを使いました。これでめまいはしなくなったということでしたので、その日は終了しましたが、1ヶ月後に「動いている時は起きないが、自宅でソファなどで休んでいるとフラフラし始める」と言われて再度来院されました。

 以降は無分流打鍼と董氏鍼方の其黄、名黄、天黄、正会などを使い、全2回で安静時のめまいもなくなりましたので治療終了としました。

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