打鍼による腰痛と股関節の違和感の治験

無分という禅僧によって始められた打鍼という鍼が、かつて江戸初期に存在していました。打鍼は金の鍼を小槌によって打つ日本独自の方法です。

無分流は後裔者の問題があり、急速に廃れてしまいその技術も亡佚してしまいます。その無分流を復活させるため約20年前から研究を始め、2016年に日本で行われた世界鍼灸大会(WFAS)に発表しました。この症例はその無分流打鍼を使った症例です。

40代女性、腰痛と股関節に違和感があり、すっきりしない。頸・肩も凝る。

腹診すると右鼠蹊部に力がなく、左の腸骨も下がっている。下腹部は全体的に張がない。

右鼠蹊部の腹力が高まる部分を腹診で決定し、そこと右足の根元に打鍼をしました。立っていただいて確認すると、左の腸骨は右と同じ高さになり、主訴であった腰痛と股関節の違和感は消失し、目と鼻がすっきりし、頸・肩の凝りも軽減していました。

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