更年期障害の早期回復は鍼灸治療の併用で

更年期とは、卵巣の機能が衰えて特にエストロゲン(卵巣ホルモン)が減ることで起こる種々の症状のことを言いますが、イライラ、めまい、ほてり、のぼせ、頭痛、動悸、息切れ、汗をかきやすい、不眠、情緒不安定、食欲がないといった自律神経失調症状や肩こり、腰痛、関節痛といった痛み、しびれ、めまい、残尿感などの多様な症状が起こるため何科に受診するかを悩む方も多いでしょう。

重要なことは最初から体にとってきつい治療を選択しないということです。きつい治療とはホルモンに関連するものや強い作用の抗鬱剤などで、心療内科などを選択すれば比較的マイルドな薬から処方してくれると思います。婦人科はその先生の治療方針によりますね。精神科はこの程度の症状では受診しない方が無難です。最初に受診する科が重要なんです。

以下症例で鍼灸の利点を説明します。

五十代女性で更年期障害の方。頭痛・肩凝り・動悸がして、特に頭痛と動悸がひどいということでした。そこで内関・膻中・頭維・豊隆に鍼をして、公孫・心兪に跡がつかないように灸をし、肩背部・下肢に円利鍼で散鍼をして様子をうかがうと、「頭痛は無くなっています。あれっ、動悸もしていません。」とのこと。複数の愁訴が無くなってしまったので、驚いたご様子でした。

このように鍼灸では複数の症状が一気にとれることは良くあることで、西洋医学のように一つの症状に一つの薬が処方されて、次々薬が増えていくこと自体ありません。症状が減れば薬も減る訳ですから、胃腸が弱くて薬をたくさん飲めないという人にとってはお勧めの方法です。

 

関連記事