手指の痛みや痺れ(へバーデン結節)と鍼灸

 手指の変形にはいくつかのタイプがあります。もっとも多いのが、指の第一関節に起こるヘバーデン結節で、次が第二関節に起こるブシャール結節。ほかに親指の付け根に起こる母指CM関節症などもあります。この指の関節痛や変形で最近、わかってきたことがあります。それは、“妊娠・授乳中の女性と、更年期以降の女性に発症しやすい”という点です。

 この時期は、女性ホルモンのエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌量が大きく変わります。「エストロゲンには月経や妊娠などに関係するホルモンというだけでなく、関節周囲や腱(けん)の腫れを抑えるという働きも持っています。日々、指を動かしていることで生じる関節の腫れを、エストロゲンが戻してくれている訳です。

 ところが、更年期などでエストロゲンの分泌が変わると、この関節への作用が滞った結果、痛みや腫れ、変形というかたちで症状が表れてくることになります。

 ならば、更年期障害の鍼灸治療を応用してみてはどうかと思い、試したところこれが素晴らしく効果がある事がわかりました。早い人はその場で、他の人でも数回で痛みや痺れの緩和を実感出来ます。

 試してみたのは、指の痺れが続く人、リウマチ様の痛みがある人、書痙の緊張緩和などです。印象としては、他の方法であまり効果の出なかった人や、軽くはなるがすぐに戻ってしまう方などに以前より良い効果が出ているように思います。

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