鍼灸で声をメンテナンスする
自分の車を所有していればメンテナンスに時間やお金をかける人は多いと思います。でも自分の体はどうでしょうか?いわゆる健康診断は発見の手段であり、メンテナンスとは言えません。これだけ考えても西洋医学にはいかにメンテナンスの実行方法がないかを実感します。
演奏者という人達は才能や練習など当たり前、本番でいかに最高のパフォーマンスを発揮するかと言う事を考えているはずです。
特に声楽、声を仕事にしている人達は自分の体が楽器ですから、わずかな不調もパフォーマンスに影響を与えます。この手の施術はどうしても本番直前などになることが多く、それが悩みの種です。
【症例1】
4日前に発熱し咳、痰が出て鼻声、鼻の奥が重い。今日声楽関係のオーディションがあるが、治りますか?という依頼でした。
システムは心包・三焦。頬部の細絡刺絡、打鍼、駟馬、馬金水などを使用し鼻声は治癒。その後伺った話ではオーディションも無事参加できたとのこと。
【症例2】
鼻声、咳、咽が痛み声がかすれる。この方も近日中にオーディションを受けると言うことでした。
診察するとシステムは奇経(太衝・合谷、通里・陥谷)、喘咳点、印堂、馬金水を使い、打鍼と少商からの刺絡、肩髃、臂臑に灸で声がかすれなくなり、終了しました。
【症例3】
近日中にデモテープを作りたいが、頸~後頭部が痛み、後鼻漏もあり、声が出にくく、返らない(裏声か?)。
第1診、診察するとシステムは心包・三焦。頬部の細絡刺絡、打鍼、駟馬、工枢、金枢などを使用し、足千金、足五金を加えた。
第2診、後頭部の後ろが詰まっている。前回ほどではないが、鼻水が少し後ろに流れている。
システムも同じで前回同様の治療をしました。
声を出して見てもらえますかと尋ねると、しばらく歌ってから「ああっ、高音が出るようになり、声が返るようになりました。」というので治療を終了しました。